高次脳機能障害について

 私たちの日常生活や社会生活を支える能力には,生命を維持する能力から,外界の情報を自分の中に取り込んで,それについて覚えたり考えたりするような能力まで,様々なものがあります。このような能力は,すべて脳によってコントロールされています。ですから,交通事故や転落事故などによる脳外傷や,脳梗塞や脳出血などによる脳血管障害によって,脳の一部がダメージを受けると,日常生活や社会生活を支える能力に問題が生じ,その結果として日常生活や社会生活が困難になります。このような障害を高次脳機能障害といいます。

 高次脳機能障害には,注意障害,記憶障害,遂行機能の障害,社会的行動障害など,様々なものがありますが,共通する特徴として,症状の現れ方には個人差があり,全ての人が同じような症状を示すわけではないということが挙げられます。また,一つの障害だけでなく複数の障害が重なって現れたり,それまで気づかなかった問題が環境が変わることで明らかになることもあることから,障害の全体像がとらえにくいという特徴もあります。そして,これらの障害は目に見えるものではないことから,周囲の人からの理解が得られにくく,時には本人さえ気づきにくいという問題もあります。

 では続いて,高次脳機能障害では,具体的にどんな問題が現れるのかを見てみましょう。

@ 注意障害

 ボーっとしている,同時に二つのことができない,気が散りやすい,集中できないなど,注意力の持続や分割等に問題が生じます。

A 記憶障害

 約束を忘れてしまう,同じことを何度も繰り返して言う,覚えているのになかなか思い出すことが出来ない,あるいは,見たら覚えられるのに聞いたら覚えられないなど,覚えることや思い出すことに問題が生じたり,覚える内容によって問題が生じます。

B 遂行機能の障害

 一つの目標に向かって取り組めない,計画を立てることができない,色々な仕事を中途半端に投げ出してしまう,決まりごとに沿って行動できないなど,目標に向かった一連の行動を遂行する上で様々な問題が生じます。

C 社会的行動障害

 子どもっぽくなる,周囲に頼りがちになる,イライラしたり感情が爆発しがちになる,自制がきかなくなる,相手の気持ちや周囲の状況を考えずに不適切な発言をする,一つのことにこだわる,意欲が低下する,反社会的な行動をとるなど,社会生活を円滑に営むために必要な様々な能力に問題が生じます。また,これらのほか,障害の一つとして抑うつ的になる場合や,障害のために色々なことが出来なくなってしまったために大きな不安を感じてしまうなど,心理症状が生じてくる場合もあります。

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